円高の恩恵で高級ブランド品が安く買えるようになりましたね。
海外旅行でのまとめ買いや、直輸入品をショップで購入される方も多いと思います。
その中で、消費税の脱税が横行していることをうかがわせる事件がありました。

ブランド品販売6社 7億円消費税逃れ 税務調査後に事実上倒産/2012.10.19産経新聞

記事によれば、腕時計や貴金属の輸入販売会社6社は、過去5~7年間で約140億円の売り上げについて虚偽の税務申告を行い、計約7億円の消費税を免れ、重加算税を含め追徴税額約9億円を修正申告したそうです。

この事件では、「仕入れ税額控除」を悪用し、輸入品にかけられる消費税を逃れていたようですが、その仕組みを図にしました。腕時計には関税がかからないため、消費税に絞って説明します。

販売等を目的として輸入する場合、その金額にかかわらず引取りに際して関税と消費税を納付します。その後国内で販売した場合、輸入引取りの時に支払った消費税は仕入れ控除され、販売業者は差額の消費税だけを納付します。これで全体としては10億の消費税が納付されたことになります。(図上-正しい処理)
事件のケースでは、密輸品を国内仕入れに偽装し、差額の消費税だけを納付していました。国内の仕入は架空ですからもちろん消費税は納付されていません。その結果、7億円分は徴収漏れとなります。(図下-事件のケース)

仕入元の会社を調べれば、簡単にわかるのではないか? 7年間もどうしてわからないのか?
そう思われるかもしれませんが、ここは消費税の隠れた問題点なんです。
取引の数が膨大すぎて、不正があっても直ぐにはわからないのです。
これは他国でも同様で、消費税関係の提出書類はどんどん倉庫に山積みされていき、調査が追いついていかずお手上げ状態になっている国も多いようです。

ここまでの説明は事業者についてですが、個人が個人使用目的で輸入等するケースを補足します。(注)

<個人輸入のケース>
インターネットを使えば海外から簡単に購入できますが、この場合でも、関税と消費税は課税されます。なお、合計金額16,666円以下の輸入であれば、一部例外はありますが、関税と消費税はともにかかりません。

<海外旅行で持ち帰るケース>
購入価格合計が20万円を超える場合、超える部分に関税と消費税がかかります。単品で20万円を超える場合には、その単品の価格に対して関税と消費税がかかります。したがって、単品で20万円を超えるものがなく、かつ購入価格合計が20万円以下であれば関税と消費税はかかりません。

今回詳しくは説明しませんでしたが、関税は物品によって率が変わります。無税のもの(腕時計など)から40%(革製品の一部)までさまざまです。詳しくは税関で確認してください。

(注)品物を繰り返し転売する行為は事業扱いとなりますから、この限りではありません。