美川憲一さん所収の渋谷区のマンションが、7月6日に世田谷都税事務所に差し押さえられていたそうです。
独立渦中の美川憲一 渋谷の億ション差し押さえと報じられる

記事によれば、渋谷区のマンションは2009年購入で価格1億5000万円、3LDKの150平方メートルだそうです。差し押さえの18日後に美川さんが滞納分を支払ったため、差し押さえは解除されたそうです。

滞納していた都税としては、美川さんの住民税、推定5億円の世田谷の一軒家と渋谷区のマンションの固定資産税、いずれもが考えられます。東京都では滞納が各区に分散していても名寄せシステムにより全滞納額を把握し滞納整理を行えます。今回の美川さんの滞納でも世田谷区がまとめて差押え処理することができます。渋谷のマンションが差し押さえ対象とされたのは、滞納額が渋谷のマンションの価額を超えないことと、世田谷の一軒家が住所地になっていたためと思われます。

ところで、固定資産税の負担はますます増加しています。下表は都税収入の推移です。

 

※東京都主税局<都税統計情報>を基に筆者作成

平成20年のリーマンショック以降、地価は下落基調となっていますが平成21年以降も固定資産税・都市計画税の税収はむしろ増加しています。5年前(平成19年)との比較では12%近くも税収は増えています。税収増は、都心部の再開発が進んだことも一因ですが、土地の評価水準が実態よりも高止まりしていることや、固定資産税の評価水準が段階的に切り上げられていることも大きい要因といえます。なお固定資産税の評価水準の切り上げについては、2011年12月9日付けブログを参考にしてください。
長引く不況やリストラの影響で、固定資産税を負担に感じる人は確実に増えています。

固定資産税の負担が増す中、徴収体制は強化されています。下グラフは都税の滞納額と滞納人員の推移です。

※※「平成23年度 都税収入決算見込額について」(東京都)から

都税の滞納額と滞納人員はともに平成23年度で過去最低を記録しました。グラフは都税全体ですが、固定資産税は全国市町村の税収の40%超を占める最大の財源ですから特に徴収が強化されているものと考えられます。
もちろん税金は義務ですから、都が滞納を減らす努力をすることは決して悪いことではありません。しかし負担する側からすると「情け容赦ない」対応と感じることも増えていると思われます。
今回の美川さんのケースも高額な滞納ゆえに、従来よりも早期に差押えに動いたのではないかと予想されます。

固定資産税の滞納は、しばらくは増加していくと思われます。
固定資産税は、収入が減って支払困難となっても納税を猶予してもらえるのは納期限から1年以内、再延長してもさらに1年です。そして次の年には翌年分の固定資産税の納期限が来ますから焼け石に水です。税額を減免できるのも災害にあった場合や、生活保護を受けているなど特殊なケースに限られます。
固定資産税の負担を政策的に上げていくのであれば、支払困難な場合の救済策も拡充して欲しいところです。