利用者8億人を超すSNSサービスのフェイスブックが2月1日に新規公開株の申請をおこないました。満を持したフェイスブックの上場です。
時価総額は8兆円にも上ると予想され、その期待の高さから、関連銘柄が上昇し、NYダウもリーマンショック後の高値をつけるなど、早くも前夜祭のような賑やかさです。
鳴り物入りで上場するフェイスブックですが、別の面で注目されているのが、ザッカーバーグCEOが持つ種類株式です。

ここで、種類株式とあわせて議決権について説明します。
議決権は、会社の支配力を意味します。会社への発言権や決定権は、議決権を多く持つ人が握ります。通常は、51%の議決権を握っていれば、その会社のほぼ完全な支配権を持つことになります。
種類株式とは、機能や役割に変化をつけられている株式です。
主につぎのようなものがあります。
① 議決権制限株式:議決権行使が制限される株式
② 取得条項付株式:一定条件の成立により会社が強制的に取得できる株式
③ 拒否権付種類株式(黄金株):株式総会の決議事項に拒否権を持つ株式

ザッカーバーグ氏(創設者、CEO)の種類株式は、今回公募される株式の10倍の議決権を持ちます。そうすると今回売り出しされる株式は、上の3種類のうち①の議決権制限株式ということになります。
公開株の議決権を抑えることにより、ザッカーバーグ氏は引き続き60%近くの議決権を持ち続け、ほぼ完全な支配権を維持できます。外部株主の発言に左右されずに長期的な方針で経営を続けることができます。

ザッカーバーグ氏のような強力なリーダーが会社を率いるのであれば、この状態は会社の長期的な成長にプラスであると私は考えます。
しかし、落とし穴もあります。
無能なリーダーが会社を率いる場合には、会社の自浄作用が働かず、経営が悪い状態のまま維持されてしまうことです。会社が倒産寸前に追い込まれるまで、他の株主は何も手がだせなくなるうえに、最終的な株主責任(株が紙くずになる損失)はとらされますから、外部の株主は割が合いません。

次の経営者が有能である保証はないわけですから、ザッカーバーグ氏は、10倍の議決権株式を長期的にはどう処分するのか? ということを説明しておくべきでしょう。