大金を拾ったら?-遺失物の拾得の税金

日本もまだまだ経済大国だなと感じさせるニュースがありました。

落とし物600万円、期限に戻る…本人気づかず/2013.2.27 読売オンライン

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広島市のマンション敷地内でマンションの住人が布に包まれた状態で置かれている600万円を発見し、警察署に届け出ました。警察署は現金の帯封の日付と金融機関の取引記録と照合し所有者を特定、遺失物の保管期限である3か月目当日に返還しました。
落とした人は落としたことに気付いておらず、遺失届も出していなかったそうです。

帯封が付いていてよかったですね。なければ特定できなかったでしょうね。
落とした人も返還されて喜んでいるでしょうが、気づいていなかったとは恐れ入ります。

今回は落とし主に返還されてメデタシとなりましたが、不明ままならどうだったでしょうか。
報道にもあるとおり保管期限が切れる3か月で拾った人に取得する権利が発生します。
意外に早いですよね。
落し物については、遺失物法で取り扱いが定められていますが、平成19年12月の改正で6か月から
3か月に短縮されました。3か月であっという間に、落とし主は権利を失ってしまいます。(注1)

拾った人には、落とし主が見つかっても、見つからなくても権利が生まれます。
◆落とし主が見つかった場合、時価の5~20%の報労金(お礼)を受け取る権利(遺失物法28条)
◆落とし主が不明の場合、3か月経過後にその落し物を取得(所有)する権利(民法240条)
この事件の場合、報労金であれば30~120万円、取得する権利であれば600万円を受取ることができます。

さて、これらは所得にあたるでしょうか?
どちらも一時所得になります。

受取額 所得額(注2)
報労金(お礼) 30~120万円 0~35万円
取得(所有)の権利 600万円 275万円

表の所得額が他の所得と合算され課税されます。

なお拾った人は、道で拾った場合は1週間以内、路上以外の駅構内やデパート内などの特定施設で拾ったときは24時間以内に届け出る必要があります。
遺失物法では拾った人が届けなかったケースに罰則を定めていませんが、民法規定で横領や窃盗罪が適用されます。
こういう大金を拾うことは、まずないでしょうが、ちゃんと届けましょうね。

(注1)高額な品物や個人情報を含む貴重な拾得物は、警察がインターネットで全国公表します。なお、傘や衣類などの大量で安い物件などは、保管に費用や手数がかかるため2週間で処分ができることになっています。
(注2)一時所得の金額=(総収入金額-その収入を得るために支出した金額-一時所得の特別控除額)×2分の1
※一時所得の特別控除額は50万円まで

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