2012年12月2日のブログで馬券払戻の所得に関するニュースを解説しました。
競馬ファンが注目するその裁判に今日、判決がありました。
「外れ馬券を経費に認める」
記事によれば、この事件の納税者の方は、馬券で相当な額の利益を得ましたが、その後株取引での損失や納税のために資金を使い果たし、さらには起訴されたことにより勤め先にも居辛くなり、今は無職という気の毒な状況に追い込まれていたようです。
実質勝訴となり、ホッとされたのではないでしょうか。
今回の事件は、
税法が、社会の変化についていけていない
という問題点をあらわしていると思います。
税法が硬直的なのはある意味仕方ないところもあり、見直しが容易でないのも理解できますが、・・。
この判決が確定すれば、過払いとなっていた税金に還付加算がついて戻ってきます。
参考までに、概算してみました。
項目 |
国税 (一時所得を主張) |
納税者 |
収入 |
301,000万円 |
301,000万円 |
必要な経費 |
10,000万円 |
297,000万円 |
差引所得 |
291,000万円 |
4,000万円 |
課税所得 |
145,000万円 |
4,000万円 |
税額 |
57,000万円 |
1,300万円 |
無申告加算税等 |
12,000万円 |
300万円 |
合計(納付すべき額) |
69,000万円 |
1,600万円 |
※所得計算は各年毎に計算しますが、資料が無いこと及び説明の単純化のため、各年分を合算しています。
※裁判資料ではなくニュースソースを元にした概算のため、不正確な部分があります。
判決により納付すべき額が1,600万円変更されたと仮定して、返還額を概算します。
納税者の方は、7,000万円+αを納付していますから、差額約5,400万円が過納金として返還されます。
さらにこれには、還付加算金として約100万円(4.3%/年で計算)がつきます。
過納金と還付加算金と合わせると約5,500万円が概算による返還額です。
良かったですね。
なお、大阪地裁は、
「外れ馬券を経費に認める」
と判示しましたが、全ての馬券払戻に認められるわけではありません。
今回のケースは特異なケースですから、
一般的な買い方では、今まで通り
「外れ馬券は経費になりません」
競馬ファンの方は、注意してくださいね。