タワーマンションというと、今進行中のTBSドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」(主演菅野美穂さん)から、高層階と低層階の階級社会を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
ドラマに登場するタワーマンション高層階の人の高慢な態度には、ただただ目が点になりますが、実際にはそういうことはないとは思います。
ただ、タワーマンションの最上階に住むことは、一つのステータスシンボルであることには違いないです。
なぜこうもタワーマンション高層階の人気が高いのかというと、他にはない希少性と見晴しが良いことが理由ですが、もう一つ忘れてならないのは、節税効果の高さです。
2億円で取引される最上階の住宅が、相続税評価では70%OFFの6千万円!
かなり単純に言うと、税金を70%少なくできることも珍しくないことから、節税効果を狙ったタワーマンション投資は近年、大盛況です。このためタワーマンションの最上階の価格は、ここ数年天井知らずの上昇です。
しかし、節税が目に余ると見たのか、
タワーマンションの高層階を使った節税に規制がかけられることになりそうです。
その改正の中身は、
- 階数が違っても同じだった固定資産税を改め、高層階になるほど固定資産税を高くする
- マンション全体の固定資産税は変えず、高層階で増やした分は、低層階を減税する
- 早ければ18年1月から、20階建て以上の新築マンションに実施
固定資産税を高くするためには、必然的に固定資産評価額を上げることになりますが、そうするとタワーマンション高層階は、固定資産税という毎年の維持費アップに加えて、相続税も上がることになります。
なぜ相続税があがるかというと、相続税では土地と建物に分けて評価しますが、建物の評価は固定資産評価額がそのまま使われ、土地についても固定資産評価額と連動する部分があるからです。
毎年の維持費となる固定資産税に加えて相続税も高くなることで、タワーマンション高層階の人気にも水を差されることになるでしょう。
タワーマンション高層階の取引価格は下がっていく!?
投資を目的とする場合、賃貸にしておく人が多いですが、年の維持費となる固定資産税が上がると賃貸利回りが下がり投資先としての魅力が下がります。
また、相続税対策で投資していた富裕層も相続税の節税効果が薄くなることで、確実に減っていくでしょう。積極的に投資する人自体が少なくなれば、理論的には価格は上がりません。
今回の改正案は、早くて18年1月から、かつ新築マンションに実施されるため、それまでに販売された中古物件は対象とならないでしょうし、不動産の場合は希少性という要素も強く働くので、全てのタワーマンションの高層階が値崩れすることにはなりませんが、影響は少なくありません。
改正の全貌が見えませんが、タワーマンション高層階の投資にあたっては、超長期的には用心深く見極める必要がありそうです。