平成30年税制改正に関するニュースの中で、とりわけ大きい影響がある改正について取り上げます。

記事まとめ

  • 中所得層(給与収入800万円)まで増税対象として拡大
  • 高所得者(給与収入1000万円)以上は、さらに大幅な増税に
  • 給与所得控除はサラリーマンにのみ適用されるみなし経費
  • 給与所得控除は、さらに引き下げの可能性も

オフィスイメージ1

高所得者の給与所得控除の縮小を確認 自民党税調 幹部会合
自民党税制調査会は14日に非公式の幹部会合を開き、平成30年度の税制改正に向け、会社員の年収に応じて所得から引かれている「給与所得控除」について、高所得者の控除額を縮小する方針などを確認した。

全ての納税者に適用される所得税の「基礎控除」は、控除額を増やすことや、一定以上の高所得者の控除額を減らすことも含め検討を進める。

所得税の控除の見直しでは、中・低所得者は増税にならないように配慮する方針。

ただ、一部の高所得者が増税となるため反発も予想され、慎重に議論を進める考えだ。
会合後、宮沢洋一税調会長は記者団に「(所得税見直しの)基本的な構造については共有したと思う」と述べた。

この日は、地球温暖化対策として市町村の森林整備財源に充てる「森林環境税」や地方税収の偏在などについても議論した。

記事引用:産経ニュース2017.11.14

中所得層(給与収入800万円)まで増税対象として拡大

 

自民党税制調査会としては、年収800万円で給与所得控除を頭打ちにすることを検討しているようです。

議論の段階のため今後多少の変更はあるかもしれませんが、税制に関して強い決定権を持っている自民党税制調査会の答申ですから、そのまま成立すること可能性は高いでしょう。

年収800万円以上で差引ける給与所得控除が一定であれば、それを超える収入がある人ほど税負担は重くなります。

試しに試算してみたところ、年収900万円の場合、年間3万円程度税負担が重くなるようです。

高所得者(給与収入1000万円)以上は、さらに大幅な増税に

 

給与収入1000万円以上の人は、これまでも年々所得税は増税されてきました。

平成30年税制改正では、1000万円以上は、高所得者としてさらに大幅な増税となることが見込まれています。

試しに、年収1500万円でどのくらい負担が増えてきたかを見てみます。

平27(2015) 平28(2016) 平29(2017) 平30(2018)
給与所得控除 245 230 220 188
所得税及び住民税 301 307 312 320
基準年から増加額 基準年 6 11 19
※単位:万円
※所得控除は個々の状況に応じて変わりますが、ここでは社会保険料160万円と基礎控除のみで計算しました。

高所得者への増税は、平成25年(2013年)からの傾向ですが、試算のように平成27年と比べても20万円の増税となることが予想されます。

給与所得控除はサラリーマンにのみ適用されるみなし経費

 

給与所得控除は、例えば自営業者でいうところの必要経費に相当するものです。

サラリーマンの場合、何が経費にあてはまるのかはっきりとしないため、一定の方法により計算します。

ですから、この金額が大きいほど税負担は少なくなります。
計算方法はこちら

給与所得控除は、さらに引き下げの可能性も

 

所得税の給与所得控除の上限は、平成25年から徐々に引き下げられてきました。

毎年じわじわと所得税と住民税の負担が増えていることを感じている人は多いのではないかと思います。

平成30年の税制改正では、さらに踏み込んで年収800万円以上は増税となる見込みですが、この増税傾向はこれにとどまらず今後も続くのではないかと考えられます。

平成24年以前 平成25〜27年分 平成28年分 平成29年分
上限額が適用される給与収入 上限無 1,500万円 1,200万円 1,000万円
給与所得控除の上限額 上限無 245万円 230万円 220万円

サラリーマンの場合、勤務先で年末調整を行っているため、
「税金はいつのまにか引かれているもの」
「節税は自営業者ができることでサラリーマンはやっても無駄」
と考えている人がほとんどです。

サラリーマンも本気で税金対策をしなければならない時代になったのかもしれません。