今回は、退職後の社会保険です。
前回の退職後の税金についてはこちらです。

健康保険と公的年金の保険料負担

退職後は、原則として国民健康保険と国民年金に変わりますが、厚生年金加入者は2年間「任意継続被保険者」として元の健康保険を継続できます。「任意継続」では、会社側の2分の1負担は無く全額本人負担となるため負担は勤務時に比べると2倍になります。では国民健康保険の保険料が少ないかというとそうでもありません。扶養家族が多い場合には、「任意継続」のほうが通常は負担が少なく済みます。これは、国民健康保険には扶養扱いという制度がないためです。
扶養家族がいる方は、とりあえずでも「任意継続」しておくことをお勧めします。
その後再就職した場合には再び厚生年金加入者となりますが、個人事業者となった場合には、国民健康保険と国民年金の加入者となります。国民健康保険は市町村単位で保険料が大きく差がありますから、住所地の市町村で試算をしてもらってください。また国民健康保険は世帯単位計算ですから、できる限り一世帯にまとめると保険料を抑えることができます。

失業期間中の生活の支え失業給付

退職後、まずお世話になるのは失業給付です。
失業給付は、会社倒産やリストラといった特定理由による場合と、自己都合による退職の場合とで給付レベルが大きく違います。

特定理由離職者

自己都合離職者

ハローワークHPから

表からわかるように特定理由離職者は自己都合離職者より給付日数がかなり長くなっています。さらに自己都合では離職後3か月間は給付を受けられませんが、特定理由離職者は7日間後から受けられ有利です。
離職票に特定理由が記載されていれば特定理由離職者となりますから、リストラによる場合には「自己都合退職」と記載されないように注意してください。

雇用保険で失業給付を受けるためには、求職活動を継続している必要があります。起業活動は求職活動には該当しませんから会社登記を済ませてしまうと、失業給付は受けられなくなります。手遅れにならないよう充分注意してください。

再就職手当

就職または起業をすると失業給付は打ち切りとなります。しかし働く意思や能力のある人までモラトリアム期間が長くなってしまわないように、失業給付期間内に就職や起業をした場合の手当てが用意されています。再就職手当です。
再就職手当は、失業給付の残日数が45日以上、かつその残日数が全体の3分の1以上ある段階で就職または起業した場合に受け取ることができます。支給額は次のとおりです。
支給残日数が3分の2以上・・・支給残日数×50%×基本手当日額
支給残日数が3分の1以上・・・支給残日数×40%×基本手当日額

脱サラ起業に役立つ助成金

サラリーマンを辞めて独立開業や起業を考えの方もいるかと思います。
そのような方にお薦めの助成金があるので紹介します。
「受給資格者創業支援助成金」です。
この助成金は、雇用保険の加入期間が5年以上、失業手当の支給残日数が1日以上残っていることなど一定の条件を満たす方が受給できます。
助成額は開業後3か月間の対象経費の3分の1かつ150万円までで、対象となる経費には、開業にあたってのコンサルタント料や資格取得費、研修費用のほかに事務所の賃借料、法人等設立に要した費用も含まれます。どのような業種でも開業初期は資金が不足しますから、利用する価値は大です。
助成を受ける上で特に注意したいのは、届出書の提出時期です。失業手当の支給残日数が1日でも残っていて、かつ事業を開始する前に都道府県労働局に「法人等設立事前届」を提出する必要があります。決して法人設立や事業開始届けを先に行ってはいけません。
詳しい要件や対象経費の範囲はここを参照にして下さい。 「受給資格者創業支援助成金」

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