民主党の社会保障と税の一体改革調査会は1日、税金と社会保険料を一体的に徴収する「歳入庁」創設を検討する作業部会を設置し、初会合を開いた。作業部会の座長、大塚耕平参院議員は「(歳入庁を)つくることを前提に議論を進める」と述べた。

歳入庁議論を開始 財務省、力の源泉「国税庁」手放すことに抵抗必至

歳入庁の創設の本来の目的は、徴収能力の高い国税庁に社会保険料の徴収を行わせて徴収漏れを減らすことと、社会保障と税の管理の一体化です。
もっとも、より関心を集めそうなのが財務省の動向です。

報道によれば、財務省の外局である国税庁に厚生労働省の外局である社会保険庁を統合させて、新しく内閣府に歳入庁を創設するそうですが、財務省にとっては国税庁を失うことに特別な意味があります。

財務省は省の中の省として君臨しています。その力の源泉は大きく二つです。
①予算編成権があることで、国の予算つまり他の省庁をコントロールできる
②税制の主管し徴収部門を押さえることにより、産業界にも影響力を維持できる

国税庁を失うと財務省は直接には上の②、国税徴収という実施組織とその幹部ポストを失います。またおそらく税制の主管の立場も失うことになるでしょう。
さらには、①の予算編成に際して収入の裏づけを求められ、歳入庁に毎年お伺いを立てなければならなくなりますから、立場が逆転します。
この二つの権限はあわせもってこそ力を発揮するものですから、②を失うことは財務省が省の中の省では居られなくなることにつながるわけです。
おそらく財務省は、財務省出身の国会議員を総動員して阻止しようとするでしょうが。

官界の話はこれくらいにして、本題の歳入庁についてです。
そもそも社会保険は、税金ではないということで、別の制度になっていました。例えると、税金は再分配といって資産家から集めて貧しい人に配る機能がありますが、社会保険は自分で負担した金額は将来自分で受け取るという考え方になっています。
今までは、「社会保険は税ではない」ということを強調するために別制度になっていましたが、実態はまぎれもなく税金です。
「それならば一緒にしてしまえ」、というのが背景です。

社会保障と税は一体的に管理することにより、所得があるのに生活保護を受けているとか、本当に生活に困っているのに受けられないとか、そういうチグハグな対応が減るでしょうから、必要なことだとは思います。
もっとも雇用保険料や労災保険料の徴収も一体化を検討するそうなので、徴収は厳しくなるでしょう。